TECHNICAL INFORMATION
カラビナのゲート形状は大きく分けて、ストレートゲート、ベントゲート、ワイヤーゲートの3種類があります。ここではゲート形状の違いによる性能と用途の違いについて説明します。

スポーツクライミングからアルパインクライミングまで、オールラウンドに使える形状です。ゲートがミスオープンしにくいため、プロテクション側(ボルトハンガー、ピトンやナチュラルプロテクション側)のカラビナとして広く使用されています。

1980年代、フリークライミングの技術は大幅に向上し難度の高いルートが数多く誕生しました。それらのルートでは素速いロープクリッピングが求められ、クリッピング動作そのものが難しいルートも現れて来ました。そのような状況の中、ロープクリッピング性能を追求して生まれたのがベントゲートです。ゲートをくの字に曲げることでロープクリップを容易にし、ゲートオープン間隔も広がりました。クリップしやすい反面、ロープを通す向きを間違えると、ロープの動きでゲートが開いて外れてしまう、という危険性も秘めています。ベントゲートはロープクリップ側に用いるのが原則です。

ワイヤーゲートは1997年、ブラックダイヤモンド社がクライミング用としては初めて市場に送り出しました。ゲートをステンレスのスプリングワイヤーとすることでゲートオープン間隔が大幅に広がり、ロープクリップのときロープがワイヤーゲートの2点で接するので、安定したクリッピングが可能です。ワイヤーゲートは、ロープクリップ側、プロテクション側、どちらにも使うことができ、従来のゲートと比べて軽量なことも特徴です。
従来のゲートはゲートピン、ゲート内部のスプリング、爪などの複数パーツによって構成されているため、冬期の使用では凍りつくことがありますが、ワイヤーゲートには雪や水が侵入する部分が無く、凍りついたとしても比較的容易に氷を取り除くことが可能です。また、グローブをした状態で扱いやすいゲート形状でもあることから、ウィンタークライミング用のカラビナとしても多く選ばれています。
また、カラビナが岩に激突した際や、ロープが急激に張られた際の衝撃(振動)によってゲートが慣性で瞬間的に開いてしまう現象(ウィプラッシュ現象/ゲートフラッター)が起きにくくなります。